分子栄養学から見た健康術① ~健康な状態というもの~

分子栄養学から見た健康術①
~健康な状態というもの~

健康な状態は?と問われたら「病気で無いこと」と多くの人が答えるのではないでしょうか?確かにそれも間違いではありません。
では病気とは何か?病気と診断されなければ健康なのか?
たとえば関節などに痛みが出て病院にいったとしても原因が分からないケースもあります。レントゲンやCT等では異常もなく血液検査でも異常はなし、これで日常生活が送ることができたならば痛み止めをもらえる程度となりかねません。ですが痛み止めも24時間の効果は有りません。
東洋医学では現在の西洋医学で病気とは診断されない症状を未病として生薬で緩やかに改善を目指すアプローチが有ります。西洋医学でも古来はアロマテラピーやフラワーメディテーションなど西洋の生薬ともいえる医療法がありますし、ハーブティーもその流れにあるといえるでしょう。
家族や仕事などの社会不安によるストレスも体調に大きな影響を及ぼします。
現代社会では仕事であれ、遊びであれ、人々はあふれる情報の流れにさらされることになります。情報だけでなく食においても味や効率を求めて飽食であるがために偏った食事になり最悪栄養失調という例もあります。食品添加物等も気になります。健康を語るうえでは身体だけでなく心も総合的に見てゆかなければなりません。そういったストレス社会に対応するためにも生活習慣を考えていきたいです。

栄養学的な考え方としては「食べた物からしか身体は作られない」ということです。もちろんヒトの脳も食べた物から作られ作り替えられます。すなわちヒトの心も食べた物に左右されてしまうのです。
栄養学的に考えると現在では分子栄養学がメインとなりますが、分子細胞学や臨床栄養学といった分野からも考えることができそれぞれに特徴があります。なのであえて「栄養学」とはいわずに「栄養学的」と表現しました。

よくバランスよく食べることが大事といわれますが健康を支える食事のバランスとは何でしょうか?
厚生労働省では推奨されるバランスが「PFCバランス」としてWebに公開されています。これは摂取カロリーをP(タンパク質)・F(脂質)・C(炭水化物)の比率で表したものです。ただしこれはあくまでも個人の差を無視した標準的な指標でしかないため個人により身体の条件が異なるために、人により大きくこのバランスは変化するのです。個人差を無視してバランスよくと言うだけでは実に曖昧で中身のないアドバイスとなります。ある人には良くてもある人には良くない場合もあるのですから、そういった個人差を分析して指導するためにも分子栄養学が必要となります。スポーツ選手、肉体労働者、事務仕事等、身体の負担のかかる部位も異なります。得手不得手でかかる負担や精神的なストレスも異なれば、必要とされる個々の栄養素の量も違ってきます。

一番注意すべきでかつ重要なのは三大栄養素の中で現代人が不足しがちなタンパク質です。その不足しがちなタンパク質もファストフード、加工食品など質の良くない食品から摂取することが多くなっています。タンパク質は主に牛、豚、鶏などの動物の肉や魚介類だけでなく大豆などの植物性のタンパク質もあります。それぞれ一長一短があり複数の食品からまんべんなく食べたい物です。以前にも記事にしましたがタンパク質は20種類のアミノ酸が目的にあわせ幾つも絡み合って機能を持ったもので、肌から筋肉、内蔵や血管、骨に至るまで重要な構成要素です。
それぞれの食品でこの20種類のアミノ酸が含まれる種類と量が違うため食べる食品に偏りがあるとある種類のアミノ酸が足りずに正常なエネルギーの生産や肌や筋肉、骨などの身体の細胞や酵素の生産に支障を来すことになります。タンパク質の元となるアミノ酸は不足無くとることが重要となります。ただし、何度も申し上げますが動物の食肉や加工食品から摂取する場合は脂質や糖質も多く含まれるので注意が必要です。加工食品は添加物が多いため、添加物の影響を受けやすい人は量によっては体調を崩す可能性もあります。

タンパク質が足りても鍵となるビタミンやミネラルが不足するとタンパク質は機能できません。
酵素などのタンパク質が機能するためのビタミンやミネラルは代謝を進めるための鍵になります。エネルギー源である糖質や脂質がいくらあってもエネルギーに作り替える事ができなくなってしまいます。たとえば運動がダイエットに直結しない理由の一つがここにあります。
分子栄養学のパーフェクトコーディング理論では疲れやすい、太りやすい、痩せている、ストレスに弱いなどの個性を克服できる可能性もあります。
そんな栄養の考え方を次回から書いていきます。

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