~ケガレた魂を悪魔は欲しがる~ 悪魔の誘い生活習慣病③

悪魔の誘い生活習慣病③
~ケガレた魂を悪魔は欲しがる~

2016年の調査では2012年から糖尿病患者は50万人増えて1,000万人になり年々増加しています。予備群とされる人は同年よりも100万人減ってはいるものの、1,000万人とされています。2型糖尿病に関係する肥満は50歳代が特に高く36.5%と予備群が減ったといっても3人に1人以上が肥満という統計がでています。
別の問題として65歳以上の女性は逆に低栄養気味の割合が22%に上がっていてる事にも注意が必要でしょう。高齢になるほどに標準的な体型の方は少なくなり、低栄養によるやつれや飽食による肥満のどちらかに分かれていく傾向があるようです。

前回は糖質の怖さと体内でどの様に取り込まれるか、そして糖尿病への過程を書きました。
糖尿病や予備軍に診断されたとしても直ぐに何かの症状は出てきません。
血液中に下げることが出来なくなり、多くなってしまった糖が悪さを始めます。はじめに体内では免疫機能として殺菌のために活性酸素が生産されています。多く生産されてしまった活性酸素が個々の細胞や血管の内壁を傷つけます。ただこれは体では想定内のことで、通常の状態であればそのまま問題なく修復されます。抗酸化物質を多くとる事を推奨されるのは多くなってしまい暴れる活性酸素に抗酸化物質が結びついて大人しくさせるため細胞や血管の内壁を守る効果を期待することです。女性であれば、コラーゲンを壊されるのを防ぎ、シミの原因からお肌を守ることに繋がります。ビタミンCやE、各種ポリフェノールが抗酸化物質として有名ですね。何かとストレスを感じることの多い現代社会ではそのストレスが原因ともなり活性酸素も多く発生しやすいので積極的に採りたいところです。
脇に逸れますが、一般的に推奨されているビタミンCの75~100mgの摂取量は欠乏症を起こさないレベルの話で抗酸化機能を期待するのでしたらグラム単位での摂取となります。が、サプリメントで大量に採る場合は胃腸に負担をかけることもあり、様子を見ながら段階的に増やして行きましょう。また10gを超える摂取は過剰摂取による副作用が出可能性もあります。
さて、増えてしまい血管内で行き場を失った糖はタンパク質や脂質と結びつこうとします、これを糖化といいます。どういう状態か?焦げて変質してしまう状態で、骨も糖化すると文字通りに焦げて茶色く変色してしまいます。卵焼きなど料理に砂糖を入れると焦げやすくなるのと同じ原理で、当然脆くなります。血管内ではこの糖化したタンパク質や脂質を異物ととらえて免疫機能が働き免疫細胞に補食されます。これが傷ついた血管の傷ついた内壁の隙間に潜り込んで、血管を堅く脆くして動脈硬化へと進め、盛り上がり血管を狭め、滞らせます。
また、毛細血管や末梢血管の手足や目、腎臓などの弱い部分にダメージを与え障害を引き起こす可能性を高めていきます。
初期の症状としては末梢部の血管のダメージ等により血流が悪くなり栄養素や酸素が行き届かなくり、手足のしびれや痛み、皮膚のかゆみ、頻尿、多汗や喉が渇くなどの自覚症状が出始めます。男性の場合は神経に障害が出たり血管が壊されるためED(勃起不全)へも影響が出てきます。
さらに血糖値が高い状態が続くと合併症を引き起こしていきます。
糖尿病による血流不足が引き金となる神経障害、網膜症、腎症が主な合併症です。
神経障害は発汗異常、立ちくらみ、便通異常から傷や水虫で足が腐り足の切断に至るケースもあり、年間に2万本もの足が切断されているとのこと。これだけでも背筋が寒くなります。
網膜症は失明原因の1位で年間3,000人の方が糖尿病患者が視力を失っているとのこと。これも目の毛細血管が破壊されて酸素や栄養が行き届かなくなります。自覚症状も出にくく突然真っ暗になる事が多いようです。
最後に腎症。血糖値が高い状態が20年ほど腎臓が機能できなくなり、人工透析が必要となります。これは腎臓移植をしない限り一生続けなくてはなりません。
透析患者は32万人ほど、年間に5,000人規模で増加しているそうです。

重ねていいますが2型糖尿病は感染症等とは異なり、自分自身が糖という快楽に身を委ねた結果といえます。
注意していただきたいのは自分勝手な低糖質は危険を伴います。糖尿病で薬を服用している場合に低糖質食を行うと薬との相乗効果等によりひどい低血糖状態となり意識障害や失明の危険性もあります。最悪の場合命の失う事にも繋がりかねません。
糖尿病の予備軍でも通院されている方々は必ず医師や専門知識を持った人に相談は必須です。健常者であっても低糖質食には向かない人もいて、そういったリスクがあることは念頭に入れて安易に行わないで頂きたい事をお伝えいたします。

次回は運動と予防で〆に向かいます。

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