ダイエットってなに?④ ~ 糖質制限の実際と老化 ~

ダイエットってなに?④

~ 糖質制限の実際と老化 ~

 

低糖質ダイエットの基本は前回書いた通りです。

人にとって砂糖は麻薬に等しい存在ともいえます。

太古の地球は大気に酸素がほとんど含まれていませんでした。そんな環境で生物の元になる原始的な嫌気性の細胞生物が海で生まれます。生きるためのエネルギーの生産は酸素を必要としない糖質でした。時は流れ地球の大気に酸素の濃度が上がると、その酸素が海にも溶け込んできます。その酸素により酸化されると細胞は死んでしまいます。絶滅の危機、何とかしなくてはいけません。

同時期に酸素をエネルギー源として生きている好気性のミトコンドリアを細胞内に取り込むことで酸素に耐えられる生体となり生き残り、動物へと進化の道を歩み、私たち人間へと繋がっているのです。植物はミトコンドリア以外に葉緑体も取り込むことで別の進化の道を歩むこととなります。

昔ベストセラーとなった小説「サイレントイブ」は取り込まれた細胞内のミトコンドリアの反乱が描かれています。

そして人間の祖先となる猿人が火を使いだし、今まで消化出来なかった芋や穀物類のデンプンから糖質を多く摂取し出すと脳などの神経細胞がグリア細胞の発達に伴い進化したと言われます。生物として人は糖質に飢えて求めるような構造に肉体だけでなく精神にもなっています。砂糖が一般的になってから100年も経っておらず、人の体は対応できないのです。

 

甘い物を食べるとほとんどの人が快感、幸福感を感じます。

糖質を感じると脳の快神経が刺激されるためです。人によっては甘い物が嫌いな人もいますが、ある意味では幸運なのかもしれません。

時間が経ち血液中の糖分(血糖値)が少なくなると脳が必要が無くても、もっとと要求し出します。また快感が欲しいと。いわゆる禁断症状で中毒です。

一般的にあまり認識はされていませんが砂糖は中毒性があります。小麦粉などに含まれるグルテンも中毒性がある事でアレルギーだけでなく近年はグルテンフリーがパンを主食とする欧米で注目されています。日本では米食の文化がありますが、パン食の影響でグルテン中毒が出てきているようです。無性にパンが食べたくなる人は注意が必要でしょう。

 

人がどうして甘い物を欲しがるのかは生物としての成り立ちから大まかに書いてみました。

 

量をわきまえて糖質を食べる分にはよいのですが過剰に摂取する事が何故いけないのでしょうか。

老化を促進させる原因の一つとして酸化と糖化があります。

過剰に摂取した酸素や糖が細胞を攻撃して機能を失わせたり壊したりする事を酸化と糖化といいます。

酸化とは錆びること、糖化は焦げることと表現されます。

酸素は非常に活発でエネルギー生産に必要なだけでなく体内に入り込んだ細菌等を攻撃して身を守る活性酸素(フリーラジカル)として活用されています。

これが食生活やストレスなどの生活環境の変化により過剰に生産されてしまうと正常な細胞も攻撃してしまいます。糖質も過剰に血中に存在するとタンパク質にを変質させてしまいます。

糖質の過剰摂取がお肌のしわなどの老化だけでなく骨も焦がして脆くします。

肌にはタンパク質の一種であるコラーゲンが弾力や張りを作っています。

骨にもコラーゲンなどのタンパク質が含まれているため糖化の影響を受けるのです。更に動脈硬化など健康に多くの悪影響を及ぼします。

アルツハイマーやガンの進行の原因の一つともいわれています。

人の体は大量の糖質を摂取できるように進化できていないのです。

糖質は不要とはいいませんが、過剰摂取は肉体だけでなく精神にも影響を及ぼすとも考えられていて“百害あって一理なし”なのです。

 

現代人において糖質の摂取は絶対に必須なのか?

極論となりますが通常の生活を送る分には絶対に必要とはいえません。人の体で糖を生産できますし、糖の代用となるケトン体も生産できます。これらで強度の高くないスポーツでも低血糖などの問題は出にくいといえます。

この考え方がケトンダイエットの基本となります。

ガン細胞は糖質を主なエネルギー源としているため糖質制限により活動を抑え込める研究結果もあり、ビタミンCの大量摂取と併せて推奨する研究もあります。

精神科医でロカボを指導し、食生活を見直すことでうつ病などの精神疾患の改善も期待できるとしています。

研究室レベルで糖質制限により老化が促進されるという報告もあります。ただしこれはマウスによる実験のみです。テレビで見た方もいるのではないでしょうか。マウスのみの実験のため反論も多くあります。当時はまだ私もテレビを見ていました。

原因は腸内環境の悪化があげられています。それなのに糖質制限を否定するものではないとも言っています。私はそれを聞いた瞬間この研究者はなにをいってるのだろうと疑問を感じました。人とマウスなどの後腸動物では腸内環境が大きく違うからです。同じ視点で研究者から反論がやはりでています。

ただ、長期(数十年)にわたり人に対する結果を追跡しなければエビデンスは得られないので前否定も全肯定も出来ないのは事実です。

肯定は長年人で経験を重ね結果を出していることに比べ、否定派は研究室での結果しか十分にないのです。

ただし、糖質制限も万能ではなく、糖尿病等で薬を飲んでいる場合は危険をはらむこともありますし、副作用でダイエットの効果が得られない事もあります。それ以外にも体質により糖質制限では減量できない、効果が低いケースもあります。その場合には脂質やタンパク質の制限でのダイエットが必要な事もあります。

 

我々が単純に糖質制限を推奨していないことはご理解いただけましたでしょうか。

糖質や炭水化物は人類どころか生物の発達に大きく関与しているだけに通り一遍ではいかないのです。

 

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