ダイエットってなに?⑥ ~ 脂質の種類と働き ~

ダイエットってなに?⑥

~ 脂質の種類と働き ~

 

前回は脂肪の特性を記事にしましたが、今回は種類などもう少し詳しく行きます。

脂肪は細胞膜で生き物の生命を支えるとても大切なものということです。

 

脂肪の種類としては飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別できます。

飽和脂肪酸は常温では固まり、酸化しにくく安定した脂肪で主に牛や豚の動物から摂取でき、バター、ラードも飽和脂肪酸になります。

それに対して不飽和脂肪酸は常温では固まらず液体のままで、魚類や植物に多く含まれます。種類により酸化しやすく不安定で、酸化すると生臭さなど独特の臭気の原因となります。

 

食用油の種類としてオメガ(Ωやω)9、6、3などで呼びますが、n(エヌ)や書籍によりデルタ(Δやδ)でも表記されますがどこから数えるかで3なら3で意味は同じになります。こちらではΩで統一していきます。

 

Ω9系の代表はオレイン酸と呼ばれる脂質で飽和脂肪酸を代謝して体内で作ることが出来る非必須脂肪酸です。分子の最後から数えて行くのでΩといい、9番目が結合状態が変わり(二重結合)折れ曲がるのでΩ9というわけです。この折れ曲がり方で脂肪酸の性質が変わります。Ω9は比較的酸化に強いため熱を通すなどの調理をするのに向いています。

Ω9系の脂質は様々な食品に含まれていますが、特に植物油に多くサラダ油、オリーブオイル、ひまわり油などが代表的になります。アーモンドなどのナッツにも多く含まれまる常温では固まらない不飽和脂肪酸です。

サラダ油などの精製されたオイルとは異なり、精製度の低いオリーブオイルはポリフェノールなど、ひまわり油やアーモンドはビタミンEなどの栄養素を含むことは覚えておきましょう。

ポリフェノールは抗酸化物質として知られていますが、他にも様々な効果が確認されていて未知な部分も多い大事な栄養素ですので別枠で説明いたします。

Ω9系を毎日摂取すると、オレイン酸の働きにより冠動脈性心疾患の低減が期待されるとされています。

 

Ω3系は大豆油、クルミ、ごま油などに多く含まれるリノール酸や卵黄や豚レバーに多く含まれるアラキドン酸などを指します。Ω3系はえごま油やあまに油などに多く含まれるαリノレン酸や、鯖や鰯などの青魚にはDHAやEPAの形で多く含まれている不飽和脂肪酸です。Ω6系は後から6番目で結合状態が変わるので2カ所で曲がるため大きく曲がり、Ω3系は3番目の為3カ所で曲がり更に大きく曲がります。

Ω6系とΩ3系は体内でΩ9系など他の脂質等から合成する酵素を人は持ってないため必須脂肪酸となり直接食物から摂取が必要となります。DHAやEPAは必須脂肪酸と紹介されますが、厳密には摂取したαリノレン酸から合成できる酵素を持っていますし、アラキドン酸はリノール酸から体内の酵素で合成できます。

Ω6系を多く含む食品は血中のコレステロールを低下させる効果が期待できるとされています。オメガ3系は血管を拡張させて血液の流れをスムースにして血圧の低下作用があることが報告されています。

またEPAは中性脂肪の低下作用があり医薬品としても処方されていますし、DHAは脳の活性化や認知機能の改善効果が報告されています。

 

Ω6系、Ω3系の脂肪酸から生理活性物質が合成されます。

生理活性物資とは身を守るために炎症を起こしたり鎮めたり、血液の凝固を勧めたりゆるめたりと相反する効果があるためバランスよく摂取する事も大事なこととなります。また熱にも弱いため酸化し変質するのでサラダ等の直接食品に混ぜるなどして摂取するのがおすすめです。

 

長くなりました。要約すると脂質は体内で細胞膜の形成やホルモンの分泌、生理活性物資を合成するし、血中コレステロールを低下させる効果も期待されている重要な栄養素なのです。

 

以上が大まかですが代表的な脂質の説明です。

実はここでは長鎖脂肪酸のみの説明となっています。MCTオイルなどの中鎖脂肪酸の説明は意図的に省きました。

次回は脂質のエネルギーとしての話で、低糖質ダイエットにも効果のある利用法などに進み、MCTオイルの活用法などケトン体の話にも入ってきます。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です