ダイエットってなに?⑦ ~ ダイエットの援軍中鎖脂肪酸 ~

ダイエットってなに?⑦

~ ダイエットの援軍中鎖脂肪酸 ~

 

前回は脂肪酸の中でも長鎖脂肪酸をメインに種類などを説明しました。

今回はダイエットで注目されるMCTオイルとも呼ばれる中鎖脂肪酸です。

気を付けていただきたいのは中鎖脂肪酸に限らず長鎖脂肪酸もカロリーコントロール等に積極的に取り入れる場合、下痢などを伴う可能性があります。

下痢など胃腸の不調を感じた場合は量を減らすこと、胃腸の弱い方ははじめから推奨量を使うのではなく少しずつ増やして行くことをおすすめいたします。

 

脂肪酸は炭素が繋がった分子構造です。その長さにより長鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸に分類されます。

長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸の身体にとっては大きな違いがあります。

分子構造が大きい長鎖脂肪酸は人体に吸収するためには小腸の消化活動を経て腸壁よりコレステロールなどの脂溶性の栄養素と共にリンパ管を通じて静脈に入るため、代謝されるのに時間が必要です。

それに対し中鎖脂肪酸や短鎖脂肪酸は消化活動を経ないで直接毛細血管からアミノ酸などの水溶性の栄養素と共に肝臓に送られ代謝するため短時間でエネルギー源とうに利用されます。

このように長鎖脂肪酸に対して中鎖脂肪酸はエネルギー源として活用しやすい長所があります。

運動強度の高くないマラソン、サイクリングやウォーキングなどの有酸素運動のエネルギー源として有効と考えられます。

短距離走などの無酸素運動では糖質がエネルギー源となりますが、有酸素運動では細胞内のミトコンドリアが脂肪を代謝してエネルギー源とします。

長鎖脂肪酸はミトコンドリア内に取り込む速度に酵素の制限を受けるのですが、中鎖脂肪酸はその酵素の制限を受けないため短時間にミトコンドリア内に取り込むことが出来ます。

食事等で摂取する長鎖脂肪酸の一部を中鎖脂肪酸に置き換える事で食後の熱生産性が向上して体脂肪が減少する事が研究で報告されています。

また中鎖脂肪酸は交感神経を刺激してエネルギー生産を活性化させるためダイエット効果が期待できます。

ちなみに中鎖脂肪酸は母乳の脂質の3%程度を占めていて人間が生まれたときから摂取している重要な栄養素といえます。

中鎖脂肪酸は近年の研究でアルツハイマー型認知症の原因の一つとされる脳の糖代謝の低下を悪化する前の早い段階で改善できる可能性も期待されています。

脂質をエネルギー源として代謝した場合にケトン体が生成され糖質の代替エネルギー源として脳でも利用されます。中鎖脂肪酸はケトン体の生成を高めてくれます。一時期注目されていたココナッツオイルも中鎖脂肪酸とは異なりますがケトン体の生成を高めるためダイエット効果が期待されていました。

CMなどで脳は糖質しかエネルギー源にならないと耳にしますがそれは嘘になります。ダイエットだけでなく認知症予防の観点からも糖質の制限は有効といえます。

ただし、単にケトン体を生成しても単純にエネルギー源として活用されないため糖質制限とセットで考える必要があります。

 

ケトン体に興味がわいたのではないでしょうか?ケトン体に関しては長くなるので別の回でもう少し詳しく説明いたします。

注意していただきたいのはダイエットにおいて中鎖脂肪酸を食事に追加するのではなく、その他の脂質に置き換えて摂取カロリーは変えないということです。

 

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