~分子栄養学とは?~ 分子栄養学からみた健康術⑤

分子栄養学からみた健康術⑤
~分子栄養学とは?~

前回まで心身の健康にとっていかに睡眠の占める割合が大きく大事であるかを書いてきました。
その基礎の上にあってこそ栄養学的な行動は高い効果を発揮できるものと考えてください。

そもそも分子栄養学とは何なのか栄養学との違いとは何でしょうか。
近年、栄養学だけでなく細胞学などを頭に「分子」と付けて旧来の学問と分けることがあります。
栄養学でいえば旧来の栄養学は実験や試験の結果を通した記述的なものでした。それに対して分子栄養学は細胞内でどうして結果になるかの原理原則の法則を導き出す遺伝子やDNAレベルから見るというイメージではありますが違いがあります。どちらも大切なものです。
ビタミンCを例にザックリ違いを説明すると、栄養学では「ビタミンCをヒトに投与することで美肌効果が確認された。」に対して分子栄養学では「ビタミンCはコラーゲンを作り出す酵素に関与し生成を活性化するため、美肌効果が期待できる。」といった違いです。実際にはDNAレベルの話になるので一つの事柄についての話だけ聞くと個々の理論はでは理解できても総論としてどうすべきかは訳が分からなくなること請け合いです。
テレビ番組や雑誌等の記事、その他コマーシャルなどは実験室レベルの十分な検証もされていない結果をさも事実のようにセンセーショナルに垂れ流します。嘘は言っていませんが本当のことも言っていません。人によってはそれを嘘と言うかもしれませんが。

少し前の記事になりますが「ビタミンCに風邪の予防効果はないから大量摂取に意味はない。」といった内容です。私に言わせれば「論語読みの論語知らず」でしかない記事です。「9割の人が知らない…。」と同じマウントをとり上から目線と同じスタイル。本の題名にも多々使われていますが、私は目にしてもため息しか出ません。
話を戻しますと、風邪の予防という一点において、一般的な環境において有意な差は無いというものですが、他に寒冷地などの条件下では期待できるという報告もあります。この時点で環境により効果が期待できるのですから「予防効果が無い」とは言い切るのは間違いとなります。
そもそもビタミンCは体内で様々な働きをしています。その働きは50種類以上も確認されているのですから風邪の予防効果を一つだけ取り上げることに意味は感じず、浅薄な記事といえます。
注目される働きの一つとしては抗酸化物質です。ストレスや運動などで体内で過剰に発生した活性酸素に結びつき中和します。また同じく抗酸化物質として活性酸素を中和し変質したビタミンEを再び働けるように元に戻す働きもあります。活性酸素はガンを含む生活習慣病や老化の原因にもなるのでむしろ風邪の予防など些末なことです。他には細胞内での酵素の因子としての働きです。先ほど上げたコラーゲンの生成にビタミンCは必要な因子です。このコラーゲンの生成は単にお肌だけに留まらず血管などにも重要なもので、欠乏症として壊血病などを起こします。副腎皮質で抗ストレスホルモンを作るのにもビタミンCは必要です。
話を風邪に戻せば、予防に効果は無いとしても、重傷化や早期の回復に効果を期待できます。ウイルスなどに対抗するために体内でインターフェロンを作る事に関わり、ガン細胞に対抗するナチュラルキラー細胞の活性化する作用もあるとされています。
ビタミンCが因子となって関わる代表的な代謝や作用の代表的なものを一部だけ上げます。
コラーゲン合成、副腎皮質ホルモン合成、インターフェロン合成、チトクロームP450合成、コレステロール分解、菌毒素不活性化、グリコーゲン合成、ブドウ糖吸収抑制、一酸化炭素・汚染物質・重金属の毒性緩和、知能指数向上、鬱病改善、活性酸素除去…etc.

このように効果の強弱は別として驚くほど多くの効果が確認されています。厚生労働省などでビタミンCの推奨摂取量は75〜100mgとなっていますが、これはあくまでも不足することによって病気にならないというレベルです。上限は基礎疾患がない限り明確な健康被害などの上限は見あたりません。ただし一回に大量に摂取すると酸性が強いために下痢などの胃腸に不調をきたすケースはあるので注意は必要です。ではどのくらい摂るのが理想なのかと言えば「個人により違いがある。」となります。これでは身も蓋もありませんね。
この違いはDNAに由来する個性となります。ではその個性は何故?となります。
分子栄養学はそういったDNAや細胞内のミクロの世界を分子の働きや作用で説明し、心身の健康を考える学問となります。
次回から分子栄養学の基礎となるパーフェクトコーディング理論、ビタミンカスケードへと何故個性が生じるのかも含めて順に話を進めていきます。

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