~使い魔、糖の振る舞い~ 悪魔の誘い生活習慣病②

悪魔の誘い生活習慣病
~使い魔、糖の振る舞い~

先日、スーパーでポッカからでているクラフトコーラを見つけて気に入ってしまったコラムを担当しているちょいこと三浦です。
このクラフトコーラは砂糖を使っておらず、100ml中のカロリーは1キロカロリーという優れ物です。もちろん合成甘味料は使っているのでそれなりに甘いです。100ml中に5キロカロリー未満なら0カロリーの表示が許されているのですからポッカのこの表示は結果かもしれませんが良心的と解釈しておきます。

本格的に暑い季節になってきました熱中症が気になる所です。
喉の渇きを潤すのに清涼飲料水に手を伸ばす機会も多くなりまが、その際には糖質に注意が必要という認識は持っていても、スポーツドリンクなら大丈夫という認識を持っていませんか?
標準的なスポーツドリンクはGI値が非常に高く血糖値を上げやすいのです。スポーツ中の摂取なら汗のかく量も多いこともあり影響も少ないのですが、さして汗もかかない状況で飲んでしまうと血糖値が急上昇してしまいます。ダイエット中の人や血糖値が高めの方は注意してください。
飲むのでしたら低GIのスポーツドリンクやミネラル補給を目的とした糖質量の少ない物を選んでください。ミネラル補給のタブレットの利用もいいでしょう。

「我々の心の中の悪魔には、『仕方がない』という名がついている。」
とはジョルジュ・ベルナノスの言葉です。
「仕方がない」という言葉で何かを放棄したり、怠ったり…。誰しも経験の有ることではないでしょうか?もちろんの事ですが、私も例外ではなく何かとこの誘惑に負けることも多々あります。まあ~実害の無いことなら幾らでもとは思うのですが、こと生活習慣病となると年齢とともに日々の積み重ねが体型として現れ始めます。肥満はもちろんの事、やつれ、ポッコリお腹…etc.

またしても前置きが長くなりました。
それだけ生活習慣病は日々の暮らしの心持ちというか意識が必要になると受け取って頂けるとありがたいと思います。
生活習慣病の切っ掛けは高糖質や高脂肪な食生活や運動不足なのです。
特に食事を菓子パン済ませている方はタンパク質が不足するために、より高糖質食の悪影響を受けることになります。
前回は糖新生やケトン体のエネルギーサイクルが有るため糖質は必ずしも生きていくために必須となる栄養素とは言えない事を伝えました。不要というより重要ではないという意味です。ただし、指導もなく知識の無い一般の方が自分勝手に
に低糖質を行うのは危険も伴い、厳禁なことは付け加えておきます。

よく頭脳労働による疲れには糖質が利くと言われます。極端な例ではプロ棋士の対局中に食べる糖質量が取り上げられたりもします。
そもそも疲労とは何でしょうか?以前にも書きましたが疲労は主に「肉体的な筋疲労」と「精神的な疲労感」に分けられます。筋疲労は簡単にいうと運動を行うことで筋肉を動かすエネルギーが枯渇してしまう状態です。ただし、セーフティが働くので完全に枯渇する事は例外的に無いでしょう。このセーフティは疲労感へと繋がります。
では疲労感とは何でしょうか?今までにも書いて重複もする部分も多いのですがおさらいもかねて書いていきます。
糖質を代謝してエネルギーを生産されると脳内では活動を抑制するための物質が生成されます。これにより脳が休みたいと感じます。また、活性酸素等のストレスも疲労感を増長させます。そうした疲労感を感じる場合には血糖値もある程度下がっているので脳内で糖質の禁断症状で甘い物を欲しいと感じます。糖質の禁断症状もしくは離脱症状としてはイライラ、倦怠感、過食などが上げられますが、イライラや倦怠感から糖質を取ることで糖質依存になった脳ではより強く快感という報酬を得られるために過食、いわゆるドカ食いへと繋がるといえるでしょう。禁断症状は人により最初は小さくても繰り返すうちに大きくなり抜け出すのに大きな苦痛を伴うのは覚醒剤のような麻薬と同じで、やがて生活習慣病という形で身体を蝕み出していくのです。
また酸化ストレスはアルツハイマーの一因とも言われます。
かと言って糖質は必要で、程々に巧くつき合って行きたいものです。人生に潤いは欲しいですから。

では余分な糖質は身体の中でどの様に振る舞うのでしょうか?
まず、小腸より体内に取り込まれる速度の早い糖類は血糖値を上昇させます。それに合わせて膵臓よりインスリンが分泌され、そのインスリンの分泌で刺激された細胞にグルット4が細胞表面にあらわれて細胞内への糖の取り込みが始まります。これにより血糖値が正常値へと調整されます。
インスリンが糖を取り込むのではなく取り込みの指示を脳から細胞に伝えるメッセンジャー的な役割となります。
脳が快楽により糖質依存になると糖質の摂取機会も増えます。するとインスリンの分泌回数も増えたり大量の糖に対応するため多くのインスリンを分泌します。そうなると刺激される細胞も馴れてしまい、グルット4の出現が少なくなり糖の細胞内への取り込み量も減ることとなります。これをインスリン抵抗性といい、血糖値が下がりにくいもしくは下がらない状況になります。血糖値が下がりにくい状況になると膵臓はより多くのインスリンを分泌してグルット4を出現させ血糖値を下げようとします。
膵臓が生涯に作り出せるインスリン分泌量は決まっているため、短期間に負荷を掛ければ疲れてやがてインスリンを分泌する細胞は限界となり機能しなくなります。インスリンの生産が少なくなるもしくは生産されない…。糖尿病です。
糖尿病と診断されてしまうと完治はなく症状がでないだけの寛解までしか望めません。

下がらなくなった血糖値…、血中に多くなった糖はどの様な害を及ぼすのでしょうか?

長くなったので脅かしたところで次回へとなります。

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